ITプロジェクト② システム開発の各フェーズ
システム開発には、一定の手順があります。これでなければならない、というルールはありませんが、通常の手順と違うやり方で進めると、結局やり直しとなってコスト増やスケジュール遅延といった結果となる可能性が高まります。将棋の定石と似ていますが、成功するプロジェクトは、ほぼこの手順に従ってプロジェクトマネジメントを行っています。
この手順をフェーズに分けて、ご説明します。
1. 企画フェーズ
システム開発の目的を明確にし、どれくらいの費用と期間で開発したいのか決定し、システム開発ベンダを選定して、プロジェクト計画書を作成します。企画フェーズは、要求定義、RFP(提案要求書)作成、ベンダ提案、ベンダ選定、プロジェクト計画書作成までを行います。
要求定義においては、システム開発をなぜ行うのか、目的と手段を整理します。そのために、問題把握・課題抽出・施策立案を行うのが、手順となります。
RFP作成では、システム開発で解決すべき機能・費用・スケジュールをベンダに伝えます。
ベンダ提案は、RFPをベンダに提示し、それに対する提案書をベンダから入手します。
ベンダ選定は、いくつかのベンダ提案を比較しベンダを決定します。
プロジェクト計画は、決定したベンダ提案書をもとに、プロジェクト全体の計画を策定、承認を受けます。
2. プロジェクト開始フェーズ
プロジェクト開始するために、承認されたプロジェクト計画をもとに、社内とベンダで構成するプロジェクト体制を構築します。
さらに会議体、ドキュメント、コミュニケーションツールなどを整備し、キックオフミーティングを実施し、関係者にプロジェクト計画の内容と、役割分担を周知します。
3. 要件定義フェーズ
ここから、具体的なシステム開発が始まります。
プロジェクト開始後、どのようなシステムを構築するのか機能要件を確定させます。
4. 設計・開発・テストフェーズ
システムの設計を行い、システム構築を行います。
5. ユーザ展開・移行フェーズ
ユーザ側でシステムの機能を確認し、運用が可能かどうかのテストを行います。さらに利用ユーザに操作方法を説明します。旧システムからのデータ移行を行い、必要となるマスタ類を整備し、システム移行を行い、本番稼働を迎えます。
6. プロジェクト完了フェーズ
本番稼働後のシステムの残課題を整理し、保守運用を開始し、プロジェクトを完了します。
次回以降で、各フェーズでのポイントを書いていきます。