ITプロジェクト⑤ 要求定義

ユーザがやりたいことを、定義します。現状の問題を整理し、課題抽出し、施策を立案します。

課題も整理しないまま、「××システムを入れよう」というプロジェクトは失敗の元となります。何か課題があるからシステム導入するのであって、システム導入が目的ではありません。システム開発は一旦始まると、後戻りするのは至難の技です。課題を解決するためのシステムだということを明確にする必要があります。

また、課題解決には、システムだけがソリューションではありません。業務プロセスを変えたり、場合によっては無くしてしまっても良いような業務もあるかもしれません。解決すべき課題を的確に設定することが必要になるのです。

そのためには、まず問題点がどこにあるのかを、正確に把握する必要があります。間違った状況認識からは、正しい課題設定はできません。

具体的な問題把握を行い、真因分析を行い課題設定で一旦抽象化し、具体的な施策立案をおこなう、という意思決定プロセスにより、その組織の共通の目的を設定することができます。これが要求定義のポイントとなります。

共通の目的がはっきりしていれば、多少の立場や利害の違いは、乗り越えることができます。「上が決めたから」とか、「どうせやっても意味がないから」などという人がいないように、会社全体で議論してプロジェクトの目的を決めることが肝要です。

システムの目的は、文書化し、参加者全員が共有できるようにすることも大切です。プロジェクト憲章とか、Project Charterとか言いますが、最初に目的、手段をはっきり明文化しておくのです。

プロジェクトは、自社のみで行うものではなく、ユーザ、ベンダ、その他関係者が参加して進めるものです。異なる文化や習慣、さらには言語の人が同じ方向に向かうためには、文書化し、明確にすることがとても有効です。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。