ITプロジェクト⑭ ベンダ提案書

RFP(提案要求書)をベンダに提示した後は、ベンダがRFPを読み込んで、提案書を作成します。ベンダから提案を辞退されるケースもあります。RFPに書いてある要求事項をベンダが実現できない場合や、実現できてもスケジュール・費用が合わない場合、要員を確保できない場合など、理由は様々ですが、RFPを提示したら必ず提案書が入手できるとは限らないことは、理解しておくべきです。

RFPを提示後、ベンダから質問されることもあります。これらの質問には適切に回答します。提案をするために、ベンダとして明確にしたいことが出てくるのは当然です。適切な提案を得るために、可能な限り情報を提供するようにする方がよいのです。

ベンダ提案書は、内容をよく確認します。RFPに記載された要求事項を正しく理解しているか、提案内容はRFPの要求事項に沿ったものであるか、スケジュール・費用などが受け入れ可能なものか、吟味します。

提案書は、時々100ページを超えるようなものもあります。気を付けるべきは、分量は多いが、中身が薄い提案書がよくある、ということです。ベンダが提案書を作成する際に、過去に作成した提案書の焼き直しで、やっつけ仕事で対応することがあります。そのような提案書は、依頼者の要求が反映していないとか、提案が通り一遍のものであるとか、一般論だけで書いてあったりします。提案書の分量にだまされず、内容をきちんと読み込んで評価するべきです。

提案書を読んだ結果、採用ができないと判断されるものは、この時点で不採用とし、ベンダにその旨を伝えます。提案頂いたことに感謝し、丁寧に対応するべきです。対応が悪いと、別の案件で提案を求めても、対応してくれなくなる可能性があるからです。

次回より、ベンダ提案書を受け取った時に、確認するべき事項について、説明していきます。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。