ITプロジェクト⑮ パッケージとスクラッチ

システム開発において、特にアプリケーションにおいては、パッケージを利用するケースと、スクラッチ開発をするケースがあります。

パッケージとは、予め標準的な機能が組み込まれていて、簡単なカスタマイズだけで導入が可能なシステムです。例えば、会計や財務、人事給与、経費精算などは、どのような会社でも必要なものですし、会社によってそれほど違いがあるものではありません。

このような機能は、標準的なソフトウェアを活用することで、費用や時間を節約することができます。

スクラッチ開発とは、機能要件に応じて、機能を最初から作り込んでいく手法です。販売や生産、品質管理など、会社のノウハウが込められた機能については、丁寧な開発が必要なことがあります。一方で、要件に細かく対応しようとすると、費用も時間もかかります。

パッケージは、様々なものが提供されています。ERP(基幹システム)が典型的なもので、有名なところでは、SAP、オービック、Dynamics365などがあります。販売、生産、購買、会計、統計など、豊富な機能が組み込まれており、かなりの、業務が網羅されています。
また、業界に特化したパッケージも提供されています。食品、小売、卸売、倉庫、など多様な業界に対応しています。

パッケージのメリットとしては、制度対応などに自動的に対応してくれる、という点があります。会計であれば税制、人事給与なら保険制度など、全国で共通の制度変更に対応するので、保守が楽です。
反面、標準機能が業務に適合しないと、業務が却って煩雑になるケースがあります。

パッケージのよさを活かしながら、必要な部分をカスタマイズ開発するのが、一般的な手法だと思います。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。