ITプロジェクト⑰ 契約形態
システム開発の契約形態には、大きく分類すると2種類あります。請負契約と準委任契約です。
請負契約とは、開発するシステムに対して請負料を支払うものです。開発に対しては完工責任がありますので、システムが完成しなければ請負料の支払い義務は発生しませんし、完成したシステムに対する瑕疵担保責任も発生します。民法632条~642条が適用されます。作業に対して請負料を支払うわけではないので、開発費用は基本的に契約時に確定金額で取り決めます。
それに対して準委任契約は、業務委託する業務の作業に対して委任料を支払うものです。受任側は、善良なる管理者の注意義務は発生しますが、完工責任はないので、作業の目的が完了しなくとも、業務委託料の支払い義務が発生します。完成したシステムに対する瑕疵担保責任も発生しません。業務委託料は契約時に決定方法を取り決めますが、必要となった工数・時間に応じて、業務委託料は変動します。
ベンダ側は、完工責任や瑕疵担保責任を負いたくないので、できるだけ請負契約を避けて準委任契約にしようと考えます。また一般的に、リスクが高い請負契約の方が費用は高くなります。一般的には、ある程度の規模のシステムでは、要件定義とテスト・ユーザ展開・移行フェーズは準委任契約、設計・開発フェーズは請負契約とすることが多いようです。要件が明確であったり、小規模のシステムでは、最初から最後まで請負契約とすることも少なくありません。
どの契約形態とするかによって、注文者側の権利義務やリスクが異なってきます。プロジェクトの要件、リスク、規模などを勘案して、請負契約にするか、準委任契約とするかを決めることが重要です。
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