ITプロジェクト29 プロジェクトの承認

プロジェクトの承認とは、プロジェクト計画書を経営が許可することです。

社内に稟議制度がある場合は、稟議書を申請し、関係各部署に回付されたのち、決裁権限者が決裁します。大規模プロジェクトであれば、社長決裁となるかもしれません。小規模であれば、所属組織長の決裁となることもあります。社内の権限規定に従い、適切な決裁が決裁するようにします。

小規模会社では、稟議制度そのものがない場合もあります。その場合、社長が直接内容を確認し、承認することもあるでしょう。大切なことは、ITプロジェクトの担当者が適切な権限者の承認なくプロジェクトを進めることがないよう、統制をきかせることです。

スケジュールがタイトな場合、承認なく担当者がベンダに対して発注書を発行することは、厳に控えるべきです。発注書を発行するのは、正式にプロジェクトのメーターがたおれることを意味します。後々トラブルとならないように、社内の手続きは適切に行う必要があります。

また、最終決裁が行われる前に、適切な関係部署に回付することも重要です。営業部門のシステムなのに営業部門に回付されない、会計に係ることなのに経理部門に回付されない、システムに関する事項なのにシステム部門に回付されない、などの事案では、誤った判断が行われることもあります。

但しい判断をするために、稟議書等の申請書類に、主要な書類を添付することも重要です。特にプロジェクト計画書、ベンダ提案書、契約書案などは、承認するべき事項そのものですから、必ず添付するべきです。

これらの手続きの後、正式にプロジェクトが承認されたら、いよいよプロジェクトの開始となります。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。