ITプロジェクト39 要件の整理

要件定義で最も大切なことは、要件を整理することです。RFPでは、できること・できないことを、あまり整理せずに盛り込んでしまうことが多いです。こんなことができたらいいな、とドラえもんのポケットのような要望を書いてしまうこともあります。

しかし、要件定義はシステムを作るためのものですから、現実的なものに絞り込まなければなりません。それにも関わらず、自分が欲しいものを言いっぱなしで、整理する努力をしないユーザが多いのは、失敗プロジェクトの共通点です。特に、現場の実務を知らない上層部が要件を出してくるときは、要注意です。絞り込みが非常に難しくなるからです。

要件定義のプロセスは、発散ではなく収束を意識しなければなりません。要件を網羅的に洗い出すことは重要ですが、絞り込むことをゴールに設定しないと、要件が拡大してとんでもないものができてしまいます。

プロマネは、議論が収束に向かっているか拡散のままなのかを把握し、収束すべき会議で結論がでない場合は、期限を設定して結論を出させるよう、メンバを誘導する必要があります。言いっぱなしがないよう、メンバに会議の生産性を意識させ、リードするのは大変なことですが、そこが腕の見せ所でもあります。

要件を整理し、基本設計にスムーズに入れるように、会議の全員が協力する必要があります。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。