ITプロジェクト40 要件の粒度

要件定義には、決まった形式はありません。ユーザが主体となって作成するために、その粒度にバラツキが発生するため、問題となります。

システム開発について理解があるユーザの場合、決めるべきことを決めなければシステムは作れないことがわかるので、できるだけ具体的に要件を決めることができます。ところが、システム開発について理解がないユーザだと、要件を適当に言っておけば、何かできあがるものと思って、何も決めようとしません。

要件は、具体的であればあるほど、すなわち粒度が細かければ細かいほど、期待したものが出来上がります。そうでなければ、期待とは全く違ったものとなってしまします。帳票イメージを貼り付けるだけで、「こんなものが欲しい」と要件定義書に書いたところで、それぞれの項目が何を意味しているのか説明をしなければ、ベンダはどういう項目をどういうロジックでデータを作ったらよいのか、判断できません。

要件定義の粒度を粗くする場合は、基本設計の段階で要件を明確化する必要が出てきます。すなわち、ユーザに質問・回答する手間が増えるため、工数が増える原因となります。

要件定義では、できるだけ粒度を細かくし、ユーザが決められることはきちんと決めることが非常に重要となります。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。