ITプロジェクト57 工数管理

開発にあたっては、工数管理が非常に重要となってきます。システム開発は、基本的に人間が行うものであり、労働集約産業であると言えます。人が単位時間にできる作業は限られているため、どの作業をどの順番で何人投入して行うか、という工数管理が、開発工程の生産性を決定づけます。

開発工程の工数の割り振りを行うためには、まず各工数の開発工程順に、工数を積み上げます。これを山積みと言います。このままでは、工数が少ない期間と工数が多い期間が混ざっていて、工数が多い期間に合わせて作業者をアサインすると、作業をしない期間が発生してしまい、効率が悪くなります。全体の生産性が下がるわけです。

これを避けるために、開発の前後関係があまりない工数をバラして、開発の順番を組み替え、工数が均一化するようにします。こうすることで、遊んでいる工数をなくし、生産性を上げることができます。

特に、いくつかの協力会社に作業を分散することもあり、このような工数管理が必須となります。また、開発品質を担保するために、詳細設計書の段階で、誰が作っても同じような結果になるように、コーディングルールを標準化することが重要になってきます。

工数管理を適切に行い、段取りを効率化することで、開発工程の生産性を上げることができます。ユーザとしては、ベンダがこのような工夫をすることで工数を抑えているということを理解しておく必要があると思います。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。