ITプロジェクト78 システム切替
システム切り替えとは、既存システムから新システムに切り替えることです。ユーザ端末や外部インターフェース系と接続するサーバを新システムに設定し、それに伴うネットワークの設定等を変更します。既存システムはユーザ端末から切り離され、バックアップを取得し、一定の期間待機された後、除却・廃棄などの処置が行われます。
ユーザ側からは、目に見えた変化がないこともあれば、大きく使い勝手が変わることもあります。基盤リプレースの場合は、ユーザ側からは、何が変わったのかわからないことも多々あります。しかし、システム面では大きく変わることになります。
システム切り替え作業は、通常営業日ではないタイミング、例えば土日や、連休、大型システムの場合は年末年始などの期間に行われることが一般的です。すなわち、ユーザや経営幹部が出勤日ではないタイミングでシステム切り替えを行うことになります。限られた時間で、意思決定者が限られる中、計画通りシステムを切り替えるのは、難易度の高い作業です。そのため、システム切り替えの際には綿密な手順スケジュールを立て、手順通りに作業を行うことが必須となります。
作業においては、主要なタイミングで、判断ポイントを入れます。もし一部の工程が遅れたり、予想外の事態が発生して、予定された時間内に終了しないことが明白となった場合には、予定日でのシステム切り替えを断念し、切り戻しを行い、もとの環境に戻すこともあります。この場合、ユーザにも大きな影響があるため、重い判断を強いられることとなります。
システム切り替えは、失敗が許されないという緊張感があります。プロジェクトの主要メンバーは、作業時間中はやることがなくとも事務所に待機したり、自宅待機して常に連絡を受けられるようにします。切り戻しのような判断は、現場だけではできないため、状況に応じた適切な意思決定ができるようにするためです。
システム切り替えは、出産のような緊張感があります。これまで積み重ねてきた努力が報われるかどうかの分岐点です。それだけに、無事稼働した時の安堵感や達成感は大きなものです。