ITプロジェクト86 保守・運用開始

過渡期運用が終了したら、保守・運用が開始します。通常、システム開発契約書とは別に保守・運用契約を別途作成します。

保守運用は、通常の作業(データバックアップやシステムメンテナンス)に対する費用ですが、ライセンスやサービス利用料など、利用者数・サーバ数などで定額的に請求される費用も含みます。

保守・運用は、基本的には準委任契約となり、費用も流動資産となります。すなわち、工数が増加すれば費用が増額され、その逆の場合は費用が減額されるのが建前です。しかし実際には最低価格が設定されることが一般的です。つまり、人員確保のために、最低限の保守費用を支払わないと、システム会社がわのリソースが別案件にアサインされたりします。

システムは開発が終了したら何もしなくても動く、というものではありません。操作のヘルプデスク、外部要因の変化(税制など)への対応、保守期限の到来(Windows 7など)など、様々な事態に対応するため、かならず誰かが対応する必要があります。

保守運用契約は重要であることは、論を待ちませんが、意外に見落としやすい落とし穴になっています。また、保守運用のスキルは、プロジェクトマネジメントとはまた別の、留意するべきポイントがあります。ただ、このシリーズではITプロジェクトマネジメントを主なテーマとして書いているので、保守運用に関する詳細な内容については別の機会に触れることとし、保守運用の重要性について強調するに留めたいと思います。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。