ITプロジェクト87 プロジェクト完了報告書

プロジェクトが完了したら、プロジェクト完了報告書を作成します。プロジェクトの企画、プロジェクトの開始、途中経過、終了までの一連の流れを文書化し、今後の同様のプロジェクトを行う際の事例となるようにします。

プロジェクトは人が行うものなので、どうしても属人化しがちです。しかしそれを文書として記録することで、組織の知識に昇華させることを目指すべきです。

特に成功事例よりも、失敗事例の方が、学びとなります。同じような失敗を繰り返さないことが、プロジェクトマネジメントのレベル向上に役に立ちます。プロジェクトは失敗するリスクが高いので、「こういうやり方だと失敗しやすい」ということを予め理解しておくことで、プロジェクト開始前のリスクマネジメントに役立つからです。

しかし、人間の心理として、失敗したことはあまり表に出したがりません。このあたり、プロジェクト完了報告書を作成することを義務付けて、かならず記録として残すことをルール化すれば、失敗から学ぶことに役立ちます。

情報処理推進機構(IPA)の高度化試験の一つであるプロジェクトマネージャ試験も、午後の記述試験はプロジェクト完了報告書を作成する問題となっています。2400字位で報告書を作りますが、こういうことを習慣づけすることが、如何に大切であるかがわかります。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。