行政書士(7) 職務上請求書
相続手続きなどで、頻繁に使用するのが、戸籍謄本等職務上請求書です。行政書士の資格で、依頼者の相続関係を証明する書類として、戸籍謄本や登記事項証明書、住民票などを取得することができます。
これは強力なツールであり、悪用すれば個人情報侵害になります。市役所や区役所では、この職務上請求書があれば、戸籍などを交付してくれます。行政書士制度に対する信頼がなければ、このようなことはできません。
利用するケースは、相続手続きが多いと思います。被相続人の出生から死亡までの全ての戸籍を取ろうとすれば、高齢の方では戸籍はかなりの数になります。大正時代の原戸籍、昭和原戸籍、平成原戸籍、戸籍謄本など、戸籍制度の変更の都度戸籍の形式が変わっているからです。兄弟相続だと、数十部になることも少なくありません。職務上請求書があれば、これらの戸籍の取得をスムーズに行うことができます。
以前は家系図を作る目的でも、行政書士が職務上請求書を使用していたこともあるようです。現在では、相続などの目的でなければ、他人の戸籍を勝手に入手することはできません。職務上請求書の悪用は、行政書士制度に対する信頼そのものを損ないかねない問題です。使用にあたっては、職業倫理を守り、適切に行うべきと思います。
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