民法改正(16) 詐害行為取消権に関する見直し

債務者の責任財産の保全方法として、債権者代位と共に民法に定められた権利が、詐害行為取消権です。債務者が債権者を害することを知ってした行為(詐害行為)について、債権者がその取消し等を裁判所に請求することができるというものです。

債務者が、債権者に対して弁済するための財産を、贈与などで逸失するような行為は、債権者の立場では、なんとか取り戻したいわけです。例えば、借金があるのに、財産を第三者に分け与えてしまう、というようなケースです。

詐害行為取消権とは、このような行為を債権者が取り消すという強力な手段なので、要件などは厳密にルール化する必要がありますが、現行民法では裁判所上請求できるとするだけで、運用は判例の積み重ねでルール形成されてきました。

そこで改正民法では、下記の点を法令に明記しています。
①債権者は、債務者がした行為の取消しとともに逸出財産の返還を請求することができる。
②詐害行為取消しの訴えにおいては、受益者を被告とし、債務者には訴訟告知をすることを要する。
③詐害行為取消権の要件(詐害行為性、詐害意思等)を明確化する。

債権者代位と同様、今回の法令化で、運用が明確になりました。法令の内容は理解しておく必要があると思います。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。