民法改正(18) 債務引受に関する見直し

債務引受とは、債務者の債務を、第三者が引き受けることです。債務引き受けには、元の債務者が免責されるもの(免責的債務引受)と、元の債務者が新しい債務者と共に連帯債務を負うもの(併存的債務引受)の、2種類があります。併存的債務引受は、改正までは重畳的債務引受とも呼ばれています。

債務引受は、実務上行われている取引ですが、現行民法では規定がありません。現行民法では、これを明文化しました。

免責的債務引受は、下記のように整理されました。

①契約の成立
債権者・引受人間の契約によってすることができます。この場合、債権者が契約をした旨を債務者に通知した時に効力が発生します。
債務者・引受人間で契約をし、債権者が承諾をすることによっても、行うことができます。

②効果
債権者は、担保権・保証を引受人が負担する債務に移すことができます。
また、引受人は債務者に対して求償権を取得しません。

併存的債務引受は、下記のように整理されました。

①契約の成立
債権者・引受人間の契約によって、行うことができます。
債務者・引受人間の契約によってもすることができます。この場合、債権者が引受人に対して承諾をした時に効力発生します。

抵当権や、根抵当権では、債務者の変更は大きな論点となります。債務引受も、きちんと理解しておきたいと思います。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。