民法改正(20) 第三者弁済に関する見直し
利害関係を有する第三者による弁済については、当事者が反対しない限り、有効となります。例え債務者の意思に反する弁済であっても、第三者の利益を優先するべきだからです。
一方、利害関係を有しない第三者による弁済については、現在は次のような内容になっています。
①債務者の意思に反して弁済をすることができない。
②債権者は利害関係を有しない第三者からの弁済を拒むことができない。
債権者の立場に立つと、債務者の意思に反する弁済かどうかがわからないまま弁済を受けて、あとで取り消されてしまう危険があります。また、見も知らぬ第三者から弁済をしたい旨の申し出があっても、拒絶することができないというのは、後々他の問題に巻き込まれる危険もあります。
そもそも、利害関係を有する第三者というのは、定義があいまいな部分があります。
そこで、まず「利害関係を有しない第三者」という定義を、「弁済をするについて正当な利益を有する者でない第三者」と明確にしました。
その上で、このような者の弁済についても、下記のように定められました。
①弁済が債務者の意思に反する場合であっても、債務者の意思に反することを債権者が知らなかったときには、その弁済は有効。
②債権者の意思に反して、弁済をすることができない。
これにより、弁済を受ける債権者に対する一定の保護が図られるようになりました。