民法改正(21) 対話者に対する契約の申込みの効力等の明記

契約は、申込みがされ、それに対して承諾があれば、成立します。申込みが撤回されたり、申し込みの効力が消滅した後に承諾があっても、契約は成立しません。

この申し込みや承諾をする当事者間で、意思表示が到達するまでに時間を要する者を「隔地者」といい、時間を要しない者を「対話者」といいます。隔地者については、承諾の期日を定めなかった場合のルールが定められていますが、対話者については明確なルールがありません。

そこで改正民法においては、対話者に対して承諾の期間を定めないで行った申込みに関して、下記のルールを明文化しました。

  • 対話が継続している間であればいつでも申込みの撤回が可能です。
  • 対話継続中に承諾がされなければ、申込みは効力を失います。

ちなみに、隔地者に対して承諾の期間を定めないで行った申し込みについては、現行民法通り、相当な期間を経過するまで撤回不可となっています。ただし、改正民法では、撤回権を留保したときは撤回可能としました。

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小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。