民法改正(27) 請負に関する見直し①

請負とは、請負人が仕事を完成することを約し、注文者が完成した仕事の結果に報酬を支払うことを約する契約です。

この報酬について、途中で契約が解除された場合など、仕事が完成せずに契約が終了する場合のルールは明文化していません。判例では、このような場合にも、注文者が利益を得られる場合には、利益の割合に応じた報酬の請求は可能と判断しています。紛争に至るケースが少なくないことから、仕事が完成しない場合の報酬について、明文化が必要です。

そこで、改正民法では、下記の場合において、中途の結果のうち可分な部分によって注文者が利益を受けるときは、請負人は、その利益の割合に応じて報酬の請求をすることが可能となりました。

①仕事を完成することができなくなった場合

②請負が仕事の完成前に解除された場合

さらには、仕事を完成することができなかったことについて注文者に帰責事由がある場合には、報酬の全額を請求することが可能です。

請負契約は、私の専門領域であるITシステム開発においても、大きな関係があります。しっかり覚えておきたいと考えています。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。