システム開発の経験談(5) 輸入貿易管理システム
入社して3年目のころ、営業部から輸入貿易業務を効率的に管理したいというお話がありました。輸入成約・物流を手書きで管理しているが、情報量も多く書き間違えをしやすいので、一度入力した情報をパソコンで管理したい、というような話です。
当時のツールとしては、表計算ソフトが出始めた頃でしたが、一つの契約番号に明細があったり、小数点以下の桁数が多かったりと、単純な表計算ソフトでは実現できません。
そこで、当時会社に常駐していたベンダさんと相談し、dBaseIIIをベースにした簡単なシステム開発を行うことにしました。dBaseIIIをコンパイルするQuick Silverというツールがあり、dBaseIIIそのものの購入をしなくても、実行が可能となります。パソコン上で動かすにはそれで十分だと判断しました。パソコンは例によって東芝J-3100です。
営業部から、要件を聞いて、自分で画面イメージや帳票イメージを作り、ベンダと協力して作成しました。項目リストも自分で作成し、各項目の属性(数値か文字列か、キー項目か従属項目か、など)も決めていきます。2-3か月くらいで作ったと記憶しますが、かなりニーズに沿ったものができたと思っています。今から振り返れば、これが私が初めて取り組んだプロマネ案件だったと思います。
中小規模のシステムであれば、プロジェクトチームを組んで作業分担をしていきます。本件はユーザも数名で、ベンダも一人だったので、簡単なチームです。しかしユーザ要件を整理すること、ベンダに正しく情報を伝えること、スケジュール管理や費用管理を行うことなど、かなり勉強になりました。
また、システム開発はなんでもかんでもサーバで実現しようとするのではなく、手元のPCで稼働するシステム(いわゆるEUC, End User Computing)も業務改善には非常に有力なツールとなることも、肌で感じたことです。