システム開発の経験談(7) FAX Launcher
HP200LXは、当時としては画期的な、システムマネージャーという、イベントドリブンなプラットフォームを持っていました。Windowsのように、デスクトップ上にアイコンを登録し、そのメニューを選ぶと起動します。イベントが標準で装備されていて、そのイベントにパラメータを渡すだけで、様々な機能が実現できます。例えば進捗率のグラフ表示とかです。
HP200LX用のマニアの会であるFHPPCでは、このプラットフォーム上で動くプログラムを公開するのが流行していました。私もHP200LXで送受信できるフリーウェアとして、FAX Launcherなる怪しげなプログラムを作りました。
なんとこの時のフリーウェアが、公開サイトに残っていました。
https://www.vector.co.jp/soft/dos/util/se028603.html
開発にはC言語を使います。今ではC言語そのものを使うことはあまりなく、C++とか、C#とかが使われるのでしょうが、その当時は最もベーシックなCが使われていました。C言語は、メモリの確保・解放を自分で行います。プログラムの実行領域にもバンバン書き込みができるので、コンパイルエラーや実行エラーが多発します。なんとも大変な作業でしたが、コンパイル型のプログラムを作るのは初めてでしたし、アセンブラに通ずるところもあって、コンピューター言語の基礎的な機能を学ぶことにもなりました。
また、オブジェクト指向の言語でもあり、現在の.netやVBAなどにも通じる考え方でプログラミングができます。ほとんど趣味の世界でプログラミングをしていましたが、プログラマーというのがいかに地味で大変な仕事であるか、ということを肌で感じたように思います。
今では、時間を忘れてプログラミングに没頭するなどということは、体力的にもできませんが、当時学んだことは、貴重な経験となっています。
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