システム開発の経験談(9) 実績管理システム(EUC)

1980年代後半に流行したLotus 123には、マクロという機能がありました。{LET A1 0}{CALC}などと、シートの中に書き込んで、実行させるというものです。

1990年代にWindowsが拡大する中で、Excelに表計算ソフトのリーダーの座を渡します。Lotus123のマクロ機能は、Excelにも引き継がれます。Excelには、VBA(Visual Basic for Application)というプログラミング言語があり、予め組み込まれたオブジェクトを呼び出して、幅広い機能を実現できます。Excelマクロなどとも言ったりしますが、EUC(End User Computing)が業務において実現できたのは、ExcelのVBAの存在が大きかったと思います。

私もLotus 123やExcelを使って、自分の部署の実績表を作成したりしました。当時の基幹システムから吐き出される商品毎の実績表から、商品コードをキーにして担当者をセットし、さらに半期毎の実績として、横軸に展開する、といったものです。DBは年月といった情報を縦に並べますが、人間が見やすいのは時系列を横にならべた「推移表」の形式です。基幹システム側で横にならべようとすると、とんでもない工数がかかりますが、基幹システムが吐き出すデータを、手元のPC側で見やすいように加工する、というのが効率的な使い方です。

一番見やすいデータの見方をしっているのは、ユーザです。私も一人のユーザとして、実績管理表をあれこれ工夫して、自分で基幹システムのデータを実績管理表として出力するExcelマクロを作りました。今から考えると、EUCの第一号ということになります。なんでもかんでも基幹システムに機能を盛り込むと高くて使えないシステムになってしまいますが、EUCとの併用でデータ活用の裾野が大きく広がると思います。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。