日本の未来と家庭再建(11)  結婚の価値を見直そう

それでは、どうして「マッチングおばさん」や「説教おじさん」はいなくなってしまったのでしょうか。社会のつながりの低下や、地域の希薄化などの問題もありますが、それ以上に大きな問題は、大人世代の結婚に対する希望が冷めてしまっていることではないでしょうか。

他人の子供の結婚にあれこれと世話を焼くのは、自分が結婚して良かったと感じているからです。もし自分自身が結婚に対して希望がなければ、他人に勧めることはできません。大人世代の結婚生活の質の低下が、若者たちの非婚化・晩婚化をもたらしていると言えます。これまで書いたように、家族や個人がバラバラに生きている社会には未来がありません。そこで暮らす1人1人の人生も、本当の幸福とは程遠いものになってしまいます。結婚し、家族を持つことの大切さを、大人世代が感じることが必要です。

ハーバード大学の脳精神発達研究では、724人の人生を75年間にわたって追跡調査した結果、人間をより健康で健康にするのは、お金や名誉仕事などではなく、家族など身近な人との質の高いつながりだと結論づけました。また、コーネル大学のフランク教授は、贅沢品などの購入で得られる幸福よりも、家族や友人との交流でいられる幸福の方が持続性がある、との研究結果を発表しました。金銭的・物質的なことが、必ずしも幸福につながっていないと指摘しました。

何が幸せかという問題は、一人一人の価値観や幸福感によるものであり、他人がとやかく言うことではありません。しかし、人は一人きりでは生きていけないことを考えると、人生においては、人との係わりが財産であり、その最小単位であり、かつ最も密接な関係である結婚、家族の関係が、その人の幸せに対して、非常に重要な影響を持っていることは、否定することはできないと思います。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。