相続(2) 遺言書② 遺言書の種類
前回書いた通り、遺言書は要式文書です。法律に規定された形式でなければ、遺言書は無効となります。遺言書の種類は6通り位あるのですが、主な2つについて説明します。
- 自筆証書遺言書
一番多いのが、この自筆証書遺言書だと思います。作り方は簡単で、全文を自書し、日付と捺印を押した後、封筒に入れて封印します。これだけです。
しかし、次のような遺言書は無効になります。
・PCなどでプリントして、捺印だけしたもの
自筆していないので、無効です。但し遺産目録部分はPCで作成してもよいことになっています。
・夫婦の連名になっているもの
誰の遺言書かわからないので、無効です。
・日付が、「令和2年8月吉日」などとなっているもの
死亡日と遺言書の前後関係が確定できないので、無効です。
自筆証書遺言書は、作成は簡単ですし、費用もかかりません。しかし、自筆証書遺言書は家庭裁判所で検認という手続きを取らないと、不動産の相続登記をすることができません。検認というのは、一種の保全手続きで、判事の前で封を開き、関係者が、遺言者のものに間違いないことを確認するという手続きです。手続き自体に1か月位かかるので、相続登記に時間がかかります。
また、自筆証書遺言書は、保管している人が隠してしまうと、存在自体がわからなくなります。
2. 公正証書遺言書
公証役場で作成する遺言書です。費用がかかりますし、公証役場に行く手間もかかります。また証人が2人必要です。行政書士に委託して、作成することが多いです。
費用と手間はかかりますが、家庭裁判所での検認がなくとも、相続登記ができます。遺言書の存在は公証役場が担保するので、遺言書を隠されたり、破棄されたりする危険もありません。高額な遺産の場合は、公正証書遺言書の方が安全です。
私は行政書士ですので、後々のトラブルを回避するためには、やはり公正証書遺言をお勧めします。しかし費用や手間などの点から、自筆遺言でも構わないでしょう。大切なのは、遺言書を作成しておく、ということかと思います。
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