森会長の発言について

東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の発言が、大きく報道されています。私は、大きな違和感を感じています。

森会長の発言は、確かに不適切なものです。女性に対する偏見と言われても、仕方がないものですし、多くの方々を不快にさせたものと思います。しかし、そのために組織委員長の辞任を求めるべきかと言えば、それは次元が違う話だと思うのです。

今は、コロナウィルス禍という状況下、オリンピック・パラリンピックをどのように成功させるのかが、最も重要なことだと思います。組織委員長を辞任に追い込むのであれば、そのことも十分考える必要があります。

現状では、オリンピック・パラリンピックは無理だ、というご意見も多くあります。しかし、きちんと対策をとりながら成功させることが、落ち込んだ景気を回復するために、とても有効だと考える人も少なくないはずです。私もその一人です。オリンピック・パラリンピックをどうするのか、国のレベルでの大きな判断となります。

そのような重要な時期に、自分たちのリーダーに対する攻撃ばかりをして、国として大きな損失を負うことは、避けるべきだと思います。あの発言自体はよくないものですし、反省すべきものですが、だからと言って自らのリーダーをひきずり落としてしまったら、自分たちのゴールに行くこともできなくなるのではないでしょうか。

森会長の発言がオリンピック精神に反すると言われていますが、謝罪している人をよってたかって攻撃し、擁護する人まで攻めるような風潮は、スポーツマンシップにも反するように思います。

日本全体が、不寛容な世の中になっているようで、恐ろしいような気持ちさえします。こういう時こそ、許して一つになるという心が、必要なのではないでしょうか。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。