名言シリーズ(5) わたしは自分の望む善は行わず、望まない悪を行なっている
新約聖書ローマの信徒への手紙第7章19節の言葉です。
キリスト教の核心的な思想は、イエス・キリストによる救いです。聖書によれば、イエス・キリストは様々な奇跡を起こし、病人を癒し、死人を生き返らせました。
しかし、救いということは、マイナスの状態から救出するということであり、それは何も身体的な問題だけではありません。内面においても、人間がマイナスの状態にあり、そこから蘇らせることが、救いとなります。
では、人間がマイナスの状態となっているというのは、どのようなことなのでしょう。
新約聖書のローマの信徒への手紙は、パウロが書いたものですが、彼が言っているのは、善を行わず、悪を行う矛盾した自分の姿が、救われるべき状態だということなのでしょう。それを罪だと言っているのです。
ローマの信徒への手紙第7章には、罪という言葉がたくさん出てきます。キリスト教は世界の歴史に影響を与えてきましたが、原点にはこのような内省的な世界があるというのは、忘れてはならないことだと思います。