法人成りのシミュレーション

個人事業主として事業を始めて、2年半となります。
法人成りをすると、節税できるというので、会社を設立するとどのように税務メリットがとれるのか、シミュレーションしてみました。
結果的に、税務メリットという点だけで見ると、あまり法人化のメリットはないように思われます。

【前提条件】
売上 1000万円
経費  300万円
所得控除 300万円
給与 240万円(月20万円)
自宅事務所の家賃化:120万円(月10万円)
尚、消費税や社会保険等の効果は考慮していない。

【税務メリット】
控除繰り戻し後の利益の比較:18.5万円

法人成りの一つのメリットは、経費とする範囲が広がるので、収入を役員報酬とすることができます。個人所得としてはその分増えますが、給与所得控除が取れるので税務メリットがあります。

また、自宅事務所について、家賃として個人に支払うことができるので、その分経費とすることができます。しかしこれは、個人所得側が同額増えるので、単なる所得の移転でしかありません。

一方、所得控除は個人所得側でしかとれません。

結局、売上が1000万円の場合は、手間暇かけて法人成りをしても、あまりメリットはないようです。法人税は800万円までは一律15%、所得税は累進税率で330万円までは10%ですから、ある程度の課税所得がないと、法人成りをすることで却って税率が高くなってしまいます。

売上を2000万円位に設定すると、約150万円程度の節税になるので、メリットは大きくなるかもしれません。

法人設立をする場合は、税務効果よりも、事業を拡大するために従業員を拡大するなどの、法人化本来の目的に沿って判断する方が、よいように思います。私の場合、自分ができる範囲での仕事をしようと思っていますので、当面は個人事業主で事業を行う方が、手間暇がかからずによさそうです。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。

前の記事

祭りの後