ITプロジェクト62 総合テスト(受け入れテスト)

連結テストが完了すると、ユーザが参加しての総合テストを実施します。システムテストということもあります。また、ユーザがシステムを受け入れる確認をするという意味で、受け入れテスト(UAT = User Acceptance Test)を兼ねることもあります。

総合テストとUATは若干意味が異なります。総合テストは、実際の業務シナリオテストに基づいてユーザがシステムに入力を行い、その結果が新しい業務プロセスに適合するかどうかを確認するのが目的です。それに対して、UATは開発したシステムが基本設計書通りに動くことをユーザが確認するのが目的です。

総合テストの結果、システムを改修する必要があると判断されれば、システム改修の作業が発生します。改修の原因が、基本設計書とシステム機能の不一致であれば、不具合としてベンダ責任となりますが、基本設計書通りに開発しているのに改修することとなれば、仕様変更としてユーザが改修費用を負担することとなります。つまり、基本設計書通りであれば、業務プロセスに不適合であってもUATとしては合格ということになります。

ただ、実質的には、システムが業務に適合しなければ、ユーザが受け入れることはできないので、総合テスト=UATととらえることが一般的です。

気を付けなければならないのは、新民法では瑕疵担保責任が契約不適合責任となり、契約不適合とは何を意味するかを明確にしておく必要があるという点です。基本設計書とシステム機能が一致することが契約適合という取り決められていた場合、常識的には不具合と判定されるような場合(つまり基本設計書が業務不適合の場合)、改修は全てユーザ負担となり、注意が必要です。次回以降、総合テストの手順を説明します。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。