特別定額給付金 マイナンバーカードによる申請の一部自治体での中止
5月の連休明けから、特別定額給付金(いわゆる10万円給付)のオンライン申請がほとんどの自治体で始まりました。申請にはマイナンバーカードを利用するため、マイナンバーカードの申請も急増しているとのこと。
一方で、オンライン申請をやめる自治体が出てきているとの報道があります。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59305720Z10C20A5LA0000/
理由は、申請情報(例えば氏名、同居家族名など)と住民基本台帳の情報の不一致や、重複申請があった場合の対応が煩雑で、郵送による方法の方が効率的だ、ということです。
しかし、データとしては同内容なのですから、なぜ不一致がおき、それを職員がチェックしなければならないのでしょう。申請時に住民基本台帳の登録内容を画面表示して確認ボタンを押すだけにするとか、画面表示が個人情報管理上問題あるなら、単に申請の意思表示だけを行えば、後続手続きができるようにすればよいはずです。銀行口座の入力も、いちいちキャッシュカードの画像をアップロードしなくても、ネットバンキングと同様にデータ上で確認すればよいのではないかと思います。
データ連携には時間もかかるし、今回は緊急性を重視して、単なる郵送の代わりとしてシステム構築したのでしょう。しかし中途半端に開発してしまうと、扱うデータ件数が膨大なだけに、運用変更は大変です。今回の取り組みがうまくいけば、マイナンバーの普及が進み、行政手続きの電子化もかなり促進できたのではないかと思われるだけに、残念に思います。
個人情報管理(特にマイナンバーは特定個人情報でありより厳密な管理が必要)の問題はありますが、今後様々な申請を電子化するためにも、住民基本台帳のデータ連携用のAPIを標準化するなど、計画的なデータ化への準備が必要なのではないかと思います。
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