システム監査(7) 基準3 システム監査人に対するニーズの把握と品質の確保

【システム監査の実施に際し、システム監査に対するニーズを十分に把握したうえでシステム監査業務を行い、システム監査の品質が確保されるための体制を整備しなければならない】

システム監査を実施するにあたり、依頼者のニーズをきちんと把握することは重要です。最近では、システムと一言で言っても、その範囲は広範に渉ります。業務プロセスとの適合性、セキュリティの状況、経営戦略との整合性、財務諸表の正当性など、会社としての把握したい統制上のポイントはいろいろあります。

内部統制は、リスク評価を行った結果、設定したコントロールが、どの程度機能しているかを見るものです。見るべきポイントが間違っていると、見当違いの監査をすることにもなりかねません。監査の目的、対象範囲、監査方法などを、きちんと依頼者と確認して、文書でその内容を取り交わすことが、後々のトラブルを防ぐことにもなります。

さらには、システム監査は、依頼者の協力なくしてはできません。証跡など必要な情報の提供も必要です。このような事前に取り決めておくべきです。

そしてシステム監査人は、取り決めた内容に基づいて、システム監査の品質を担保するために、適切な人材や体制を確保しなければなりません。このような、通常のシステム開発にも通じる話です。スタート地点がずれてしまうと、依頼者の期待に応じた結果を出すことはできません。システム監査を行うにあたっては、きちんと事前の取り決めを行うことが大切と言えます。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。