システム監査(14) 基準10 監査の結論の形成

【システム監査人は、監査報告に先立って、監査調書の内容を詳細に検討し、合理的な根拠に基づき、監査の結論を導かなければならない】

システム監査人は、監査調書に基づいて、結論を導きます。監査目的は、保証と助言がありますが、いずれの場合も合理的な根拠に基づいた結論でなければなりません。その結論は、事実誤認や論理的な飛躍があってはなりません。システム監査人の思い込みや恣意的な判断は排除する必要があります。

システム監査の結果、不備が発見された場合は、その内容と重要性から、監査報告書の指摘事項とするかどうかを検討します。例えば、システムのガバナンス、マネジメント、コントロールの不備などです。

不備と言っても、軽微な不備から、重要な不備まで、各種あります。全ての不備を指摘事項とする必要はありません。軽微な不備は、監査期間内で修正されることもあります。不備については重要度によって順位付けを行い、整理する必要があります。

指摘事項となれば、フォローアップなど監査対象にとっては負担にもなります。また事実誤認があった場合には、監査報告自体の信頼性も損なう可能性があります。従い、監査報告書を最終化する前に、監査対象部署とのあいだで意見交換会などを実施し、相互の認識を合わせておくことも重要です。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。