名言シリーズ(1) 巧言令色鮮矣仁

ここから、これまで読んだ本の、私なりに感じた、いい言葉を書いてみたいと思います。古典でも、現代に通じる内容が少なくないと思います。言葉の解釈は全くの私見ですので、一般的な見解とは違うかもしれません。

今日の名言は、「巧言令色鮮矣仁」です。(論語の巻第一 学而第一)

この言葉は有名ですね。耳障りがよく、飾り立てた言葉は、中身がなく、思いやりに欠けるものだ、というような意味でしょうか。

論語を通読してみて思ったのは、孔子は、君子という理想的な人間像を描き、実際の人々とのギャップを説いているのかな、ということです。

この言葉も、巧言令色を悪いと言っているのではなく、言葉の根底に思いやりとか愛情がなければ、かえって有害だ、ということが言いたいのだと思います。

孔子が描く君子像は、決して仙人のような、人との交わりを断つ孤高の人ではなく、人と人が交わる社会において、自らを律して公のものに尽くす人物像なのかな、と思います。

儒教の教えは、忠孝の徳を説いているので、政治の権力者にとっては都合のよい思想かもしれず、そのために儒教が政治に守られてきたこともあったかもしれません。それでも、孔子の考え方が、今日の社会倫理の価値観に大きな影響を与えていることは、間違いないと思います。

私も、このような言葉は大切にして、生きていきたいと思います。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。