仕事と人生
著者の西川善文氏は、住友銀行の頭取を務め、その後さくら銀行と経営統合してできた三井住友銀行の頭取、そして日本郵政の総裁を歴任した人です。
ご自身の入社以来の仕事を通して、いろいろな人との出会いや、経験をもとに、仕事と人生に対する思いを語った内容を、出版社である講談社が編集したものです。
私は今、銀行に関わる仕事をしていて、バンカー、つまり銀行の人たちが、どういう姿勢で仕事に取り組んでおられるのか、興味があります。また、西川さんは、郵政民営化の中で、日本郵政の総裁という難しい仕事を引き受けた方で、その点でも興味がありました。
読んでみて、仕事に対する姿勢というのは、どんな仕事でも変わらないものだと、思いました。結局は、覚悟ということのようです。
部下の仕事に問題があっても逃げずに責任をとる、リスクがあっても正しいことなら取り組む、そういうことの積み重ねが、組織のトップに立つ要素なのでしょう。
仕事ができる人の要点として、シンプルに考えることとか、人を大切にするとか、いろいろな重要なことが、この本に書かれています。その中でも、一番大事なことだと思われるのが、この覚悟という言葉でした。
西川さんは、昨年他界されました。貴重な業績と言葉を残されたことは、ありがたいと思います。改めて、ご冥福をお祈り致します。