DX時代の行政書士の仕事

行政書士会の意見交換会で、DX時代に行政書士の仕事はどうなるか、というテーマがありました。

意見交換会では、行政の申請がデジタル化してしまうと、手続きが簡略化してしまうから、行政書士の仕事の領域が減ってしまうのではないか、という意見も結構ありました。

私は、いろいろな行政の申請がオンライン化しているけれども、行政書士の仕事は減ることはない、と考えています。

オンライン化が進むと、それまで紙の書類を提出すればよかったものが、わざわざスキャンしてデータ化してからアップロードする手間が増え、ついて行けない人が増えてきます。手続きのプロとして、このような方のために、オンライン申請を代行するような仕事が増えてきます。

手続き自体に付加価値をつけるのではなく、今後必要なのは、お客様によりそったコンサルティングが大切になると思います。相続のお客様でも、専門家に相談するだけで考えが整理できてありがたい、とおっしゃるお客様も少なくありません。

このような議論は、行政書士だけではなく、多くの仕事の現場で、行われているのではないでしょうか。実際、前職でもAI化で、消えてしまう仕事のリストなどというものが、作られたりしていました。イノベーションが進むと、亡くなる職種も確かにあるでしょう。駅の切符切りなど、その典型かもしれません。

しかしDXはツールであり、仕事は人間がやるものだ、というのは、ITの専門家として常に思い続けていることです。技術革新が進んでも、仕事の質は変化するかもしれませんが、仕事そのものがなくなるということは、ないんじゃないかと、私は考えています。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。