NHKスペシャル 大廃業時代~会社を看取(みと)るおくりびと~

昨日(10/6)のNHKスペシャルの、「大廃業時代~会社を看取(みと)るおくりびと~」を見ましたが、大変考えさせられる内容でした。

経営コンサルタントとしては、会社の売上増加、事業承継など、なんとか会社が生き残れるように考えるのが使命と考えておりました。
しかし、人間と同じように、会社にも寿命があるのだとしたら、むしろ後に残された人々が苦労しないように、きちんと整理して会社を廃業することも、大切なことなのかもしれません。

私は会社の命令で海外の関係会社の社長をしていた時期があります。番組にもありましたが、任期中にちょうど2008年のリーマンショックを迎え、追いかけるように製造していた商品の市場環境が大きく変化し、結果的に会社は事業撤退ということになりました。

取引先に事前に通知して代替商品を探してもらい、切り替えまでの在庫をまとめ生産したり、従業員に対しても事前通知して解雇の際の退職金の上積みを協議し、借入先の銀行にも相談の結果融資を中止して本社からの直接金融に切り替え、最後は資産を売却して会社清算手続きに入りました。

自分の経営の方法がもっと上手であれば、従業員を解雇することもなかったのにと、いろいろと考えました。自分は本社に戻ることができ、いわば安全圏にいるということも、心が痛む一因でもありました。これで人生観がかなり変わったところがあり、少しでも世の中の会社の社長の相談相手になりたいというのが、経営コンサルタントを志したきっかけです。

その会社の方向性を一緒に相談し、会社の発展を目指しながら、時には廃業のお手伝いもするかもしれませんが、お役に立てるようなコンサルティングができればと、改めて思った次第です。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。