ITプロジェクト⑦ システム構成図

現在の課題を整理するにあたって、既存のシステムがどのような構成になっているのか、図面を確認します。システムランドスケープとも言います。構成図には、アプリケーション構成図とインフラ構成図の2種類があります。

アプリケーション構成図は、業務システム・会計システム・人事給与システム・経費精算システムなど、アプリケーションレベルでのシステムの構成を表現するものです。基幹システム(ERP=Enterprise Resource Planning)があれば、一連のシステムを統合したシステム構成図となることも多いです。

インフラ構成図は、事務所内のネットワーク(LAN=Local Area Network)、データセンタ及びサーバ類のネットワーク、各デバイス(PC、携帯機器)などとのネットワークなどの構成を表現します。

アプリケーションに問題がある場合も少なくありません。典型的なのは、使用しているライセンスの保守期限が切れている、開発した際のドキュメントが紛失している(あるいは最初からない)ために保守できない、ベンダが倒産ないしは撤退して保守をどこにも頼めない、などです。開発言語が古い場合、例えばCOBOLなどでは、技術者が高齢化で減っているなどの問題もあります。

インフラにおいても同様で、サーバやミドルウェア(Windows Serverやデータベースなど)の保守切れ、構成図や設定(コンフィギュレーション)情報の喪失、接続障害、BCP(事業継続計画)欠如など、いろいろな問題を抱えているケースがあります。

これらの状況は、システム構成図を見ると、ある程度推測がつくことがあります。要求定義の段階で、これらの問題を洗い出して、改善課題として整理することで、システムレベルでの問題の解決につなげることができます。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。