ITプロジェクト22 マルチベンダー管理
企業向けITシステムは、業務系、会計系、周辺系など、様々なものがあります。会社のシステムを全面的に更新する場合や、新規に会社を立ち上げてシステム導入する場合、複数のベンダに委託する場合があります。この場合、マルチベンダー管理が必要となります。
複数ベンダへの委託の際に注意すべき点は、ベンダとベンダの間で責任分界点を明確にすべきことです。例えば、アプリケーションはA社、インフラはB社という場合、障害が発生した原因がアプリケーションなのか、インフラなのか、判別しにくいケースがあります。たとえば、ユーザが端末操作をしたが、レスポンス時間が遅く使い物にならない、といった場合に、アプリケーションの問題なのか、インフラの問題なのかで、A社とB社で見解が異なる、というトラブルです。
マルチベンダー管理を行う場合、ユーザ側で責任分界点を決めるのは、技術的な問題が係るため、困難なことが多いと思います。このような問題を避けるために、一元的にとりまとめるベンダを決めて契約を一本化し、全てのベンダはその下で業務を請け負う、というやり方をとることがベターです。
ベンダ側も、注文者を経由して調整するよりは、直接ベンダ間で会話できる方が迅速に問題に対処できる、というメリットがあります。一方で、管理費が余計にかかる点、他社の問題を背負いたくないという理由からベンダの協力が取り付けにくい、などといった課題もあります。
マルチベンダ管理は注文者側の負荷が高いことを認識し、できるだけ一元管理できるようにするよう、交渉する方がよいと考えます。