ITプロジェクト53 基本設計書のレビュー・承認

基本設計書は、成果物として提出された後、ユーザがレビューし、承認します。基本設計書はかなり細かい資料となり、ユーザが確認するのはかなり大変な作業となりますが、ここできちんと確認しておくことで、後日のトラブルを避けることができます。

特に、画面や帳票などユーザが確認できる成果物については、確認しないで開発してしまうと、ユーザが期待したものと異なるものとなるリスクが高くなってしまいます。

基本設計書のレビュー・承認は大変な作業であるために、レビューをせずに詳細設計・開発とすることも少なくありません。専門的な知識が必要となるケースもあるでしょう。しかし、家を建てるのに、基本図面を見ないで建てることは少ないのではないでしょうか。図面を見てもわからない部分は設計者に解説してもらい、ともかく自分のイメージ通りであるかどうかを確認し、異なる部分は修正した後に、実際の建築作業に入るのではないかと思います。

システム開発はなぜかこの基本設計書のレビューがないがしろにされがちです。おそらく専門知識が必要であるという先入観が強いし、レビューすべき資料が大量にあるから、敬遠されてしまいがちなのだと思われますが、これまでの経験上、きちんと基本設計書をレビューする場合としない場合では、プロジェクトの成功確率が各段に違うということが言えます。

きちんと期間と工数をとって、ユーザ側で基本設計書をレビューし、承認を行うことが重要です。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。