ITプロジェクト67 テスト結果の確認
総合テストの入力が完了したら、テスト結果を確認します。多くの場合、システム機能がユーザの想定と異なっているというケースが発生します。事前に完成後のシステムのイメージをユーザが確認できていて、基本設計書もしっかりと確認できていれば、あまり大きな問題にはなりませんが、そうでないと「こんなはずじゃなかった」という点が多く発生することがあります。
これらの点は、課題管理表を作成して、一覧表にて管理します。課題には大きく分けて3種類あります。不具合、仕様変更、運用対応です。基本設計書と異なる動作をする場合は不具合としてベンダ負担で改修、基本設計書通り(あるいは記載がない)であって修正が必要なものは仕様変更、修正しなくても対応可能なものは運用対応となります。
大型のシステムの場合は、課題が大量に発生することがあります。そもそも課題なのかどうかもわからないケースもあり、入力を間違ったからなのか、システムの問題なのかの切り分けを行う必要があります。これらの解析はベンダと協力する必要があります。アウトプットの数値が違うからといってベンダに丸投げすると、ベンダでの負担が過度に大きくなり、必要な対応が遅れる可能性があります。きちんと問題を切り分けて、システム課題のみ課題表に記載することが大切です。
また、各課題について、不具合・仕様変更・運用対応のどの方針とするかは、ベンダとユーザ会社で個別に協議することとなります。費用負担の問題になりますので、言った言わないの話になりがちです。基本設計書をきちんとユーザ会社がレビューしたかどうかが、ここで問題となります。レビューしていないと、仕様変更と言われても抗弁ができません。
不具合にしろ、仕様変更にしろ、システム改修が必要な場合は対応し、稼働前に業務プロセスが問題なく機能できる状態にすることが重要となります。