ITプロジェクト79 切り戻し

前回書いた、システム切り替えの作業において、計画通りに新システムの立ち上げが困難であると判断された場合には、切り戻しを行うことがあります。つまり元通りにするわけです。

具体的には、新システムへの接続・設定を元に戻し、旧システムがこれまで通り利用できるようにします。

一旦変更した設定を、再度変更して最初の設定に戻すわけですから、作業にミスがあると元に戻らないこともあり得ます。そうなると、新旧システムのどちらも利用できないこととなり、重大なシステム障害となります。

作業というものは、前向きに行う場合は集中力が続くのでミスも起きにくいですが、元に戻すというような後ろ向きに行う場合は、モチベーションも下がり、集中力が下がるため、ミスが発生しやすくなります。

山登りで、登りは調子がよくても、下りは難しいということと、通じるところがあるかもしれません。

また、切り戻したのはよいものの、その後どのように新システムを稼働させるのか、という課題も抱えることとなります。

慎重なシステム切り替え計画を立てて、切り戻しが発生しないよう、事前の準備が重要だと思います。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。