民法改正(17) 連帯債務に関する見直し
連帯債務については、債務者の一人についての履行の請求や相殺・免除・時効などの効力が、現行民法で絶対効とされていましたが、改正民法では相対効となりました。連帯保証についても、ほぼ同じような改正となっています。
例えば、債権者が債務者の一人に対して履行の請求を行うと、現行民法ではその債務者のみならず他の債務者についても時効が中断されますが、改正民法では時効が更新されません。
同じように、債務者の一人が、債権者に対する債権で相殺しても、他の債務者は引き続きそれまでの債務を負います。
また、債権者が債務者の一人に対して債務免除しても、他の債務者は引き続き、それまでの債務を負うこととなります。
更に、債務者の一人が時効を援用しても、他の債務者の債務は消滅しません。
これまで、連帯債務者の絶対効を、「他人のソーメン自己負担」などと覚えて
このようにした理由は、連帯債務者や連帯保証人同士は、たまたま名前を連ねているだけで、お互いに連絡しているわけでもないという場合、他の債務者に発生した事由の影響を受けるとすれば、不意打ちのような不利益を招く可能性があるからです。
これは債権法を理解する上で、大きな変更だと思います。しっかりと、改正の趣旨と内容を、理解しておく必要があると思います。