システム開発の経験談(6) MS-DOS システムコール

MS-DOSというのは、ビルゲイツがIBMに売り込んで、世の中のパソコンOSをほとんど独占したオペレーションシステム(OS)です。Windowsがベースとなっている現在では、名前も知らない人が多いと思いますが、私の時代はパソコンでシステム開発するのにMS-DOSは必須の知識でした。

通常はMS-DOSコマンドを覚えて、ファイル操作とか、起動時設定をするのがほとんどですが、私の先輩に詳しい人がいて、MS-DOSで入出力やファイルを直接操作する方法を教えてくれました。MS-DOSシステムコールと言って、MSDOSに予め準備されたサブルーチンを呼び出すのです。例えば、コンソールからの文字入力、ディスクへの書き込み、などの操作ができます。VRAM(Video Random Access Memory)を直接書き換えて描画することなどもできます。アセンブラレベルのシステム開発を行う際に、使うことになります。その際に使った参考書がこれです。

このような知識が、ユーザ企業のシステム担当者として必要かと言えば、たぶん全く必要なかったでしょう。現在では通常のSEでも、アセンブラの知識を持った人はほとんどいないのではないでしょうか。なぜなら、これらのBIOS操作は、WindousのAPIが担っていて、システム開発者が直接BIOSを触る必要もないし、セキュリティ面からもBIOSにアクセスすることは禁じ手だからです。

今となってはほとんど意味のない知識だったとは思いますが、コンピュータの基本というものはわかったような気がします。特にコンピュータは、「入力」「処理」「出力」のどれかを行っていて、どんなに複雑なシステムでも、この3つの要素に分解されるということが分かったことは、今につながる重要な知識だと思っています。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。