システム開発の経験談(10) ポータルサイト

1995年にWindows95が発表されてから、インターネットが注目を浴びました。当時から、インターネットを使って新規にビジネスができないか、という検討が会社でも盛んにおこなわれました。中でも、Yahoo!やNiftyなど、ポータルサイトが注目されました。集客場を作れば、そこから新たなビジネスができるのではないか、と考えられたのです。

会社でも、新しい技術を活用して新しい商売の形を作れないか、という検討が行われました。ビジネスモデル、なんて言葉が使われだしたのもこのことではないかと思います。当時はGoogleやFacebookなどの検索エンジンやSNSはなく、基本的にサイトの管理人がコンテンツを管理するような発想でしたが、ともかく業界別のポータルサイトは、早く作ったもの勝ちという考えがあり、私もポータルサイト作成の担当者となりました。

ホームページでは、HTMLという言語が使われます。ブラウザ上で動作する言語として、MicrosoftのASP言語や、JAVA Scriptなどが開発されました。私も例によって言語マニアとして、HTMLやASP言語を、本を片手にいじってました。

最初は単なるリンク集みたいなものを作りましたが、それでは広がらないということで、WEBから会員登録や商品登録ができるようにし、会員をどんどん集めて、ビジネスのネットワークを構築することを目指しました。そのためのシステム開発を行い、結構な機能を持つポータルサイトができました。2000年位の頃だったと思います。

しかし決済機能や物流機能があるわけでもなく、対象が消費者ビジネスではなく中間流通ビジネスだったため、サイトを使用するメリットを打ち出しにくく、会員数を伸ばすことはできませんでした。物流取引には業界特有の商習慣もありますし、懐疑的な意見も相当ありました。結局そのサイトは現在では閉鎖されています。

しかし、現在ではAmazonや楽天などが大躍進を遂げ、いろいろな分野でネット販売がビジネスの主流となっていることを考えると、インターネットがビジネスを変えたというのは、間違いのないことだと思います。WEBシステムが広がり始めた初期の時期にサイト作りの経験ができたことは、私にとっては大変貴重な経験だったと思います。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。