相続(9) 法定相続分②
法定相続分は法律で決められた相続人の持ち分です。
相続順位が3つあり、それぞれ上位の上位の相続人がいない場合に、次の順位の相続人が相続をすることになります。配偶者は常に相続人とあります。相続順位と言うのはわかりにくいですが、例えば被相続人に子供がいれば、親は相続人になりません。子供がいなくて、両親とも他界していれば、兄弟が相続人になるというしくみです。子供がいる場合は、兄弟が相続人になることはない、ということになります。
第一順位とは、被相続九人に子供がいる場合です。この場合、配偶者が2分の1、子供が2分の1となります。子供が2人以上いる場合は、子供が人数で均等に分けます。例えば、夫が亡くなり、妻と子供が2人の場合、妻は4分の2、2人の子供がそれぞれ4分の1ずつ相続することになります。
子供がいない場合は、第二順位である親が相続人となります。この場合、配偶者が3分の2、親が3分の1となります。夫が亡くなり、妻がいて子供がなく、両親とも健在の場合、妻が6分の4、両親が6分の1ずつと言うことになります。
子供がおらず、両親とも他界している場合は、第三順位である兄弟姉妹が相続人となります。この場合、配偶者が4分の3、兄弟が4分の1となります。夫が亡くなり、妻がいて、子供がおらず、両親が他界して、弟が2人いる場合、妻が8分の6、2人の弟がそれぞれ8分の1ずつを相続することになるわけです。
子供については、養子も嫡出子ですので、相続人となります。嫡出子というのは、婚姻上の子供です。婚姻上でない子供は、非嫡出子と言いますが、非嫡出子も相続人です。以前は非嫡出子の相続分は嫡出子の半分となっていましたが、法令改正されて、現在は非嫡出子と嫡出子の相続分は同じです。
子供がいない、と思っていたら、戸籍上認知した非嫡出子が見つかる、ということがあります。いわゆる隠し子です。例えばある資産家の男性がいて、妻や子供がおらず、両親も他界している場合、兄弟が相続人となっていると思っていたら、戸籍を取り寄せたところ、実は認知した非嫡出子がいて、兄弟は一切遺産を相続できない、なんてこともありえます。あるいは、遺言書による認知により、相続関係が変わってしまう、ということもありえます。
相続分の計算は、法定相続分が基礎になりますので、きちんとした理解が必要です。