相続(24) エンディングノート

相続に際して、亡くなる方が意思表示を行い、法的効果が発生するのが、遺言書です。しかし、法的効果はなくとも、自分が死亡した後は、こうして欲しいという意思表示をしておくことは、残された方のためにも重要です。このような書類を、エンディングノートと言ったりします。

エンディングノートには、自分の財産がどれくらいあるのか、口座番号は何か、などの財産に関することの他、葬儀はどういう形式で行うのか、遺族に希望することとか、臓器提供に関することとか、書いておきます。事故等で生命維持装置がなければ生きていけず、自分の意識がなくなった時に、生命維持装置を外してほしい、などということも書いておいた方がいいかもしれません。

自分の人生を振り返り、人間としての尊厳を守るため、自分の意識が戻らなくなっても、本人の意思表示を残しておけば、残された方もあれこれ議論することもなく、その意思を尊重することができます。

エンディングノートには、決まった形式はありません。また法律的な効果もありません。しかし本人の意思と、遺族の気持ちを整理するためにも、予めエンディングノートを作っておくことは、とても意味のあることだと思います。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。