相続(28) 認知

婚姻外で子が生まれると、戸籍上は母親の戸籍に入ります。そのままでは、父親は戸籍上の親子関係にありません。この場合、認知をすることで、子は父親との親子関係が生じます。

認知は、認知届を市町村役場に届けることで、可能となります。胎児を認知することもできますが、その場合は母親の承諾が必要です。胎児を勝手に認知されると、母親が困ることがあるからです。また、成人の子を認知する場合は、子の承諾が必要です。勝手に親になられると、相続や扶養義務など、子に不利益が発生する場合があるからです。

認知は遺言書でも行うことができます。知れている相続人以外に、突然相続人が出現することになりますから、大変なこととなりますね。逆に、子の側から父親に認知を求めることもできます。これは裁判上の認知請求となり、強制認知とも呼ばれます。

認知というのは、父と子の関係のみ問題となります。母と子は、当然に親子関係となりますので、認知は問題になりません。この辺り、父よりも母の方が強い理由かもしれません。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。

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