情報セキュリティ講座(16) IPを補完するプロトコル
IPを補完するために、いくつかのプロトコルがあります。
1. ICMP(Internet Control Message Protocol)
ネットワークの状態を確認したり、異常時の対応を行うためのプロトコルです。代表的なものに、pingがあります。あるIPアドレス宛にpingを実行すると、相手先に到達したかどうか、何秒かかったか、などの状態が返ってきます。「pingが通った」と言うと、宛先アドレスに通じた、というような意味になります。
2. ARP (Address Resolution Protocol)
通信機器は固有の番号としてMACアドレスを持っています。IPアドレスだけでは、具体的にどのノードなのかを把握することができません。ARPはIPアドレスからMACアドレスを知るためのプロトコルです。具体的にはネットワーク内でブロードキャストでARPメッセージを発信し、自分が該当すると判断したノードが、MACアドレスを返します。
3. NAT (Network Address Translation)
ネットワーク間でことなるIPアドレス体系を持っている場合、それぞれのIPアドレスを交換する仕組みです。特にグローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスを変換する際に使用します。プライベートIPアドレス同士での変換もありますが、その際は変換ルールを決めておく必要があります。
4. NAPT(Network Address Port Translation)
IPアドレスだけでは、一意にNAT変換できないことがあります。一つのIPアドレスにポート番号を付与しているケースです。この場合、IPアドレス+ポート番号の組み合わせで、アドレス変換をします。これをNAPTと言います。