情報セキュリティ講座(42) 暗号化について

暗号は、情報セキュリティにおいて、非常に重要な技術です。誰でも読める情報が平文といい、特定の者同士でしか解読できない情報が暗号文です。暗号の歴史は非常に古く、古代エジプトのヒエログリフという文字が、知っているものしか読めないということで、暗号の先駆けと言われているそうです。

古代ローマのシーザーが使ったのが、シーザー暗号ので、アルファベットを数文字ずらす方法です。IBMを一字ずらすと、HALになる、という単純なものです。これはルールが分かれば、26回試すと読めてしまいますね。

しかし、その後単一換字式の暗号が考案されて、長く使われました。アルファベットをランダムに置き換えると、そのパターンは26の階乗個あります。ほぼ解読不能だということで、1000年以上使われました。

しかしこれも、頻度分析という手法で解読方法が考案されました。アルファベットには、それぞれ出現頻度があります。英語で一番出現頻度が高いのは、eだそうで、その文字をeに置き換えます。同じようにして暗号の文字を本来の文字に戻していくと、パズルを読み解くように平文に戻すことができます。

子供の頃、シャーロックホームズが好きで、よく読んでましたが、「踊る人形」という題でホームズが暗号を解読したのが、この方法でした。

第二次世界大戦では、ドイツがエニグマという解読不能と言われた暗号を発明したものの、イギリスがそれを解読したことが、ノルマンジー上陸作戦の成功に繋がったそうです。日本海軍がミッドウェー海戦で壊滅的打撃を受けたのも、暗号が解読されたことがきっかけでした。

暗号の歴史は、複雑な暗号が考案され、それを解読するという、いたちごっこの歴史です。

インターネット時代に、以前では考えられないような大量の情報が交わされる現代で、どのような暗号が使われ、守ろうとされているのか、知っておくことはとても大切だと思います。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。