情報セキュリティ講座(44) 共通鍵暗号方式

共通鍵暗号方式は、暗号化鍵と復号化鍵が同じです。従い、送受信に先立ち、送信者と受信者の間で、鍵を受け渡しする必要があります。これを鍵交換と言います。
受け渡しは、第三者に知られないように行う必要があります。鍵が漏れると、第三者に盗聴される恐れがあるからです。

送信者は、交換した鍵を使い、データを暗号化します。暗号化されたデータは受信者に送られて、受信者は交換した鍵で復号化します。暗号文は鍵がなければ中身を読むことができないので、鍵が漏れない限りは、暗号文が流出しても第三者に読まれる恐れは極めて低くなります。家の鍵も、開ける鍵と、閉める鍵は同じものを使いますね。これと同じです。

共通鍵暗号方式の利点は、暗号化と復号化の処理スピードが、公開鍵暗号方式に比べて、はるかに高速だということです。

しかし、共通鍵暗号方式には、二つの問題があります。
一つは、どうやって安全に鍵交換をするかということです。先程書いたように、鍵が漏れると、暗号文は解読されてしまいます。家の合鍵を他人に盗まれるようなものです。
もう一つは、複数の相手とデータ交換をする際に、相手の数だけ鍵が必要になることです。10人がそれぞれ他の9人と共通鍵暗号方式でデータ交換するためには、45個の鍵が必要です。100人なら4950個です。人数が増えると管理しきれなくなります。

この問題を解決するために考案されたのが、公開鍵暗号方式です。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。