情報セキュリティ講座(45) 公開鍵暗号方式

公開鍵暗号方式は、2種類の鍵を使います。暗号化鍵と、復号化鍵が異なり、相手ごとにこの2つの鍵をペアで使います。これをキーペアと言います。

公開鍵暗号方式のキーペアの使い方は、次の2つの方法があります。それぞれ用途が異なります。

1. 公開鍵で暗号化し、秘密鍵で復号化する
2. 秘密鍵で暗号化し、公開鍵で復号化する

1は、安全にデータを送る時に使います。秘密鍵暗号方式と同じ使い方ですが、鍵交換をする際は、公開鍵だけを相手に渡せばよいので、より安全に鍵交換ができます。秘密鍵を公開鍵暗号方式で鍵交換し、データ本体は秘密鍵で送受信する、という使い方が一般的です。

2.は、本人確認のために使います。秘密鍵で暗号化した本人情報を、本人の公開鍵で復号化できれば、その暗号化した人は間違いなく本人だ、と判断することができます。電子署名などで使われます。

公開鍵暗号方式は、世紀の大発明だと思います。単純な発想ですが、鍵を如何に安全に交換するかという問題を、解決する方法が提供されたからです。

また、キーペアも、秘密鍵暗号方式のように、送受信者の組み合わせ数すべて準備する必要はありません。10人が相互に通信するために必要なキーペアは10組です。100人なら100組です。共通化暗号方式では、100人が相互に通信するためのカギは4950個ですから、いかに公開鍵暗号方式の鍵管理が合理的かわかります。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。