原発安全革命
福島原子力発電所の事故の翌月出版された本です。著者は古川和男氏で、長年溶融塩原子炉の研究に取り組んできた、この分野での第一人者です。溶融塩原子炉の利点、欠点を明快に解説し、これからのエネルギー政策において、溶融塩原子炉がいかに有望であるかを解説しています。
ウランを使う軽水型原子炉と比較し、トリウムを使う溶融塩原子炉が、安全性、経済性、核兵器廃絶などの面で優位であることを、技術的かつ社会的に説明し、素人の私でも理解しやすい本でした。
著者は、この本が出版された2011年の12月に他界されました。遺稿ともなったこの本は、著者が後世の私たちに溶融塩原子炉の開発を訴えているようで、とても印象深いものです。